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Necessary As Blood [Crombie, Deborah]

Necessary as Blood 「切り裂きジャック」でも有名なロンドンEast End。ここにはさまざまな民族が時代とともに移り住み、今一番多いのはバングラディッシュなんだそうだ。古代から続く大都市が抱える移民問題。未だに発展中のこの命題はあまりに生々しくて扱いが難しい。

先住である白人はバングラディッシュ人を見下し、驚くほど男尊女卑であることが強調されているバングラディッシュ人は白人との結びつきは経済発展のみに限定したいらしい。そんな中、バングラディッシュ人の弁護士Nazと結婚した白人Sandra Gille。布を使ったコラージュのアーティストとしても成功し、Charlotteと名づけたかわいい3歳の女の子を得て幸せな生活を送っていた。その彼女が娘と市場に出てきて、出店している友人に、これからNazと昼食を一緒に取るのですぐ戻るからほんの少しの間だけ、と娘を預けたきり行方不明に。娘と2人残されたNazも3ヵ月後、午後には戻るとベビーシッターに娘を預けたまま翌日、公園で死体となって発見された。
Nazの殺人とGemmaがかかわってしまう偶然がちょっと無理っぽいのが玉に瑕だ。しかし、相変わらずの筆力でこんな難しい命題をよく捌いている。おまけに彼らの私生活もほんとにいい具合に絡ませる。持つべきものはよき友人である。

事件は、各章始めに挿入されているEast Endの来し方をつづった小文が意外な方向に向いた時大きな展開を迎える。澱んでいた捜査が動き、畳み掛けるように犯人像が浮かび、白人優越主義と東洋イスラム系の男尊女卑、貧富の格差に男の蛮性が重なって起こった事件に4人が走る。
私生活ではいろいろとけじめがついて、ちょっとこれで終わりかも、と危惧しているが、まだまだ書こうと思えばいくらでも拾える題材は多いので、もう少し続いてほしいと期待している。 Nov.2009


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